リワークプログラムでの実施
こころのクリニック イムス八王子という精神科診療所にて勤務している精神保健福祉士(PSW)です。
当院ではメンタルヘルス不調でお仕事から離れている方を対象とした「リワーク(復職支援)プログラム」を行っています。
そのプログラムの中で「十人十色ゲーム」を実施いたしました。
プログラム対象者の多くが職場でのコミュニケーションに悩みを抱えており、アサーショントレーニングや認知行動療法などをプログラムに取り入れていますが、コミュニケーションの練習と「他者の視座」を体験的に学んでいただけるのではないかと思い、実施いたしました。
この日は参加者が少なく、スタッフ1名を加えて3人×3チームで行いました。
「すすめかた」にあるとおり、まずねらいとしての「他者の視座」ということには簡単にだけ触れゲームを進めたところ、「ゲーム」というツールを通していることもあり、普段は他の対象者とあまり話さない方も笑顔で相談しながら予想している様子が見え、当たりはずれで一喜一憂し、とても盛り上がりました。
一巡したところで「他者の視座」ということを少し具体的に説明し、さらに立川談志師匠の「人間関係は良い誤解か、悪い誤解」という言葉を引用させていただいて「他者を100%理解できなくても少し考えるだけで良い誤解に導けるのでは?」と投げかけてから、もう一巡してプログラムを終了しました。
やってみた感想
参加者からは「楽しかった」はもちろんですが、「改めて自分と他人は考えが違うことを実感した」「他の人が考えてることなんてわからないんだから、自分のことを他の人が分からなくて当然なんだ、と思ったら少し気が楽になった」という感想が聞かれました。
私自身の感想としては、「自分の考えを人に伝える」ことと「他者の視点に立って考える」ことの両方を同時進行で練習できるよいツールだと感じました。
今後も時折、実施してみたいと思います。